良かれと思ってアドバイスしたら、お相手がそっけない…。その「なぜ?」を解決します【心に響く会話術】
お見合いやデートの会話中、お相手がふと、仕事や人間関係の悩みを打ち明けてくれた。
「(頼ってくれたんだな)」
あなたは嬉しくなると同時に、お相手の力になろうと真剣に話を聞き、「それは大変だ」と心から思います。 そして、ご自身の知識や経験を総動員して、一番良いと思える「解決策」を一生懸命に考えて、伝えます。
「その場合は、まず〇〇さんに相談して、次に△△という手順を踏むのが一番効率的だと思うよ」 「悩むより、こうしてみたらどうかな?」
良かれと思って。 100%の善意で、誠実なアドバイスをしたはずなのに…。
なぜか、お相手の表情がパッとしない。 「ありがとう!」と喜んでくれるどころか、ふと黙り込んでしまったり、「…そうだね」と、どこかそっけない返事をしたり。 さっきまで弾んでいた会話の空気が、急に重たくなってしまった…。
「え、なんで?」 「せっかく真剣に考えたのに、何か間違ったこと言ったかな?」 「力になろうとしただけなのに、どうして…」
そんな風に、あなたの「優しさ」が空回りしてしまい、戸惑った経験はありませんか?
「逆の視点」から考えてみましょう
実はこのお悩み、前回のブログ記事【「ただ聞いてほしかっただけなのに…」デートで会話が噛み合わないと感じる方へ】で書いたお悩みの、まさに「裏表」の関係になっています。
前回は、「共感」を求めていたのに「アドバイス」が返ってきてモヤモヤしてしまった方へのお話でした。
今回はその逆。 「力になりたい」という優しさから「アドバイス」をしたあなたが、なぜお相手の心に響かなかったのか、その「なぜ?」を一緒に考えていきましょう。
あなたの「優しさ」は、決して間違っていません
まず、一番大切なので先にお伝えします。 お相手のために真剣に「解決策」を考えたあなたの「優しさ」や「誠実さ」は、1ミリも間違っていません。
問題を分析し、具体的な解決策を提示できるのは、あなたの素晴らしい「強み」であり、頼り甲斐のある「魅力」そのものです。 その「優しさ」を、どうか否定しないでください。
ただ、ほんの少しだけ。 あなたの「優しさ」が、お相手の心に届くまでに、「順番」のすれ違いが起きてしまっただけなのです 。
なぜ、誠実なアドバイスが「そっけない」反応を生むのか?
あなたが「解決策」という名の「プレゼント」を用意している時、お相手は、まったく別のものを求めていることがあります。

1. お相手は「解決」ではなく「安心」を求めていた
あなたが「どうすればこの問題を“解決”できるか?」と考えていた時 、お相手は「この人は私の気持ちを“分かって”くれるか?」という一点を見ています。
悩みを打ち明けた瞬間、お相手が求めているのは、多くの場合「完璧な正論」や「素晴らしい解決策」ではありません 。 それよりも先に、
「そうだったんだ、それは大変だったね」 「うんうん、頑張ったんだね」
という、「あなたの気持ちは、間違ってないよ」「私はあなたの味方だよ」という「共感」という名の「安心毛布」なのです 。
2. 「アドバイス」が「壁」に聞こえてしまう瞬間
お相手がまだ「安心毛布」にくるまれていない、心が少し弱っている状態で「正論」や「解決策」を伝えると、それは(あなたが意図しなくても)お相手にはこんな風に聞こえてしまうことがあります。
- 「(そんなことで悩んでいるの?)君が間違っているよ」
- 「(泣き言はいいから)早くそれを直しなよ」
- 「あなたの『気持ち』はどうでもいいから、早く『問題』を片付けて」
そんなつもりで言ったのではないのに、ゾッとしますよね。 でも、人は「共感」される前に「解決(アドバイス)」されると、無意識に「自分の気持ちを否定された」と感じ、そっと心を閉ざしてしまうのです 。
その「優しさ」を「最強の武器」に変える、たった一つのコツ

あなたの素晴らしい「問題解決能力」は、婚活においても、その先の結婚生活においても、絶対に必要とされる「魅力」です。 その魅力を、お相手の心にまっすぐ届けるために、たった一つの「コツ」を加えてみませんか?
それは、「アドバイスの前に、まず“共感”のワンクッションを置く」ことです。
お相手が悩みを話し始めたら、あなたの「解決したい!」という気持ちは、ぐっと5秒だけこらえてみてください。
そして、解決策を話す前に、まず「相手の言葉」を繰り返してみるのです。
お相手: 「今日、上司に理不尽なことで怒られて、本当に悔しくて…」
【NG例(即アドバイス)】: 「それは君にも落ち度があったんじゃない? 上司のタイプを分析して、先に資料を…」 (→ お相手、心がシャットダウン)
【OK例(共感ファースト)】:
あなた: 「そっか。理不尽なことで怒られたんだ。それは悔しかったね」 (→ まずは、お相手の「悔しかった」という気持ちを、そのまま受け止める)
お相手: 「そうなの! 私だって頑張ったのに…(…と、さらに話が続く)」 あなた: 「うんうん(あいづち)」
(お相手が話し終わり、少しスッキリした顔になったら…)
あなた: 「話してくれてありがとう。すごくスッキリした顔になったね。もしよかったら、僕(私)が思うことを伝えてもいい?」
お相手: 「うん、お願い」
あなた: 「(ここで初めて、あなたのアドバイスを伝える)」
「共感」の後に、「解決」を
いかがでしょうか。 「共感」というワンクッションを置くだけで、あなたの「アドバイス」は、「冷たい正論」から「私のために真剣に考えてくれた、温かいサポート」へと劇的に変わります 。
あなたの「解決できる力」は、間違いなくお相手を助ける武器です。 その武器を「刃」として向けるのではなく、「盾」としてそっと差し出す。
その「寄り添い方」を覚えたあなたは、もう「そっけない反応」に戸惑うことはありません。 お相手にとって、誰よりも頼りになる、最高のパートナーになれるはずです。
Nextyは、そんなお二人の「心のすれ違い」を「深い絆」に変えるためのコミュニケーションを、丁寧にサポートしています。

